エコ仕様となっている自動車を所有している場合、エコカー割引が適用されることがあります。しかし、保険会社によって適用期間や対象車種は異なるため、事前に確認することが重要です。
そこで今回は、エコカー割引について取り上げながら、エコカー割引の対象車種、エコカー割引の割引率など、詳しく解説していきます。
エコカー割引とは、低排出ガス・低公害・低燃費等の車を所有し、自動車保険に加入する方に適用される割引サービスです。
環境保護やエコカー普及のために、エコカー割引を採用している保険会社が目立ちます。
低排出ガス・低公害・低燃費等の車とは、たとえばハイブリット車・電気自動車・燃料電池自動車のことを指します。
また、保険会社によって、エコカー割引という名称ではなく『低公害車割引』、『電気自動車・ハイブリッド割引』、『先進環境対策者割引』など呼び方は様々です。
保険会社ごとで割引率、割引の適用期間は異なるため、事前に確認しておくようにしましょう。また、エコカー割引を扱っている多くの保険会社は、福祉車両割引と併用することができません。
福祉車両割引とエコカー割引が両方適用される状況の場合、エコカー割引は適用不可となり福祉車両割引が優先されます。また、減税対策のエコカーとは区分が異なるため、気をつけましょう。
まずは以下の表をご覧ください。エコカー割引を扱っている保険会社をピックアップし、対象車種をまとめました。
保険会社 | 対象車種 |
---|---|
ソニー損保 | ・電気自動車 |
朝日火災 | ・電気自動車 ・ハイブリット車 |
セゾン自動車 | |
共栄火災 | ・電気自動車 ・ハイブリット車 ・天然ガス(CNG)車 |
損保ジャパン日本興亜 | |
三井ダイレクト | ・電気自動車 ・ハイブリット車 ・燃料電池自動車 |
東京海上日動 | ・電気自動車 ・ハイブリット車 ・天然ガス(CNG)車 ・燃料電池自動車 |
あいおいニッセイ同和 | |
チューリッヒ | ・電気自動車 ・ハイブリット車 ・天然ガス(CNG)車 ・燃料電池自動車 ・メタノール自動車 |
マイカー共済 | ・電気自動車 ・ハイブリット車 ・天然ガス(CNG)車 ・燃料電池自動車 ・メタノール自動車 ・天然ガス自動車 ・液化石油ガス(LPG)自動車 |
上記3つのポイントを順番に見ていくことにしましょう。まず1つ目ですが、上記の表をご覧いただく分かるとおり、電気自動車とハイブリット車はほとんどの保険会社で対象となっています。
ソニー損保のみハイブリット車は対象外ですが、基本的には電気自動車とハイブリット車のいずれかの車であれば、エコカー割引が適用されると考えていて間違いなさそうです。
続いて②ですが、今回複数の保険会社をリサーチした結果、上記以外の保険会社ではエコカー割引を提供していませんでした。
自動車保険の割引サービスは、本来『長期契約』、『複数台の契約』、『事故リスク』等の内容によって保険料が割引されるケースがほとんどです。
環境保護のために割引をするサービスは、エコカー割引くらいしかありません。
エコカー割引を扱っていない保険会社が、環境保護に力を入れていないわけではありませんが、割引サービスとして提供していないことがあるのです。
また、エース保険(現チャブ損害保険)のように、社名を変更する前はエコカー割引を扱っていたものの、社名変更後に廃止されたケースもあります。
最後の③ですが、チューリッヒの場合、『自動車重量税、自動車取得税の特例措置の対象となる自動車(初度登録日が平成22年1月1日以降の自動車に限る)』もエコカー割引の対象車となっています。
ただし、2017年1月1日以降を保険開始日とする契約、もしくは車両入替日とする契約の場合は、エコカー割引対象外となります。
ようするに、2017年7月現在、上記の対象車はエコカー割引が適用されないケースがほとんどということです。
なお、現在所有している自分の車が、エコカーに該当するのか確認したい場合は、車検証の『備考欄』もしくは『燃料の種類の欄』をチェックしてください。エコカーに該当する場合は、ハイブリット車などの記載があるはずです。
ここでは、エコカー割引の割引率について詳しくみていくことにします。
まずは以下の表をご覧ください。
保険会社 | 割引率 |
---|---|
ソニー損保 | 1,000円 |
朝日火災 | 3% |
富士火災 | 3% |
共栄火災 | 5% |
セゾン自動車 | 1,200円 |
三井ダイレクト | 案内なし |
損保ジャパン日本興亜 | 3% |
東京海上日動 | 3% |
あいおいニッセイ同和 | 3% |
チューリッヒ | 案内なし |
マイカー共済 | 7% |
上記3つのポイントを、順番に解説していくことにします。まず①ですが、ソニー損保とセゾン自動車火災のみが定額。その他の保険会社は、割引率で割引金額が決まる仕組みです。
たとえば、割引前の保険料が30,000円の場合、ソニー損保は29,000円、セゾン自動車火災は28,800円となります。一方、割引率3%だと29,100円、5%だと28,500円です。
つまり、割引前の保険料が安い場合は、定額と割引率のどちらもそれほど割引金額は変わらないことが分かります。
ただし、割引前の保険金額が高くなると、割引率で割引額が決まる保険会社の方がお得です。
たとえば、割引前の保険料が60,000円だった場合、ソニー損保は59,000円、セゾン自動車火災は58,800円です。一方、割引率3%は58,200円、5%は57,000円となります。
実際のところ、自動車保険の割引はエコカー割引だけではなく、その他にもなんらかの割引が適用されるものです。そのため、上記の割引額に関しては、あくまでも一例として参考にしてください。
それから、②については詳しく解説するまでもありませんが、割引率の平均は3%~5%程度と抑えておけば問題はありません。
マイカー共済のみ7%ですが、保険会社の中で7%を越える割引率を提示しているケースは見当たりませんでした。
それから、最後の③ですが、三井ダイレクトとチューリッヒは、割引率を公開していません。
三井ダイレクトに関しては、WEB上で公開されていた約款を確認しましたが、割引率は案内されていませんでした。
詳細について確認したい場合は、保険会社へ直接問い合わせてください。
エコカー割引には、適用期間が設けられています。各社の適用期間を表にまとめましたので、まずはこちらをご覧ください。
保険会社 | 適用期間 |
---|---|
ソニー損保 | 保険開始月が初度登録年後もしくは初度検査後から37ヶ月以内 |
朝日火災 | 保険始期日の属する月が、契約車両の初度登録年月(初度検査年月)の翌月から13ヶ月以内 |
富士火災 | 保険開始日の属する月が、初度登録年月(初度検査年月)の翌月から13ヶ月以内 |
共栄火災 | 保険始期日の属する月が、契約車両の初度登録年月(初度検査年月)の翌月から13ヶ月以内 |
セゾン自動車 | 保険始期日の属する月が、初度登録年月(初度検査年月)の翌月から13ヶ月以内 |
三井ダイレクト | 保険始期日の属する月が、初度登録年月(初度検査年月)の翌月から13ヶ月以内 |
損保ジャパン日本興亜 | 契約期間初日の属する月が、初度登録年月(初度検査年月)の翌月から13ヶ月以内 |
東京海上日動 | 保険始期日の属する月が、初度登録年月(初度検査年月)の翌月から13ヶ月以内 |
あいおいニッセイ同和 | 初度登録年月(初度検査年月)から始期日の属する年月までの期間が13ヶ月以内 |
チューリッヒ | 案内なし |
マイカー共済 | 割引期間は無制限 |
保険会社によって言い方は若干異なりますが『保険始期日の属する月が、契約車両の初度登録年月(初度検査年月)の翌月から13カ月以内の契約』を割引適用期間としているケースがほとんどです。
ソニー損保、マイカー共済のみ他の保険会社とは異なり、割引適用期間が長く設定されています。
そのため、割引適用期間にこだわるのであれば、ソニー損保かマイカー共済のいずれかを選択することになりそうです。
そもそもエコカー割引は、保険会社が環境保護に取り組み、エコカーの普及に力を入れている事実をアピールする1つの手段として利用されてきました。
つまりエコカー割引は、エコカー普及のきっかけにすぎないため、割引の適用期間を長く設定する意味はないのです。
また、エコカーだからといって、事故リスクが軽減されるわけではありません。
そういった意味からも、保険会社としては割引の適用期間を長く設定するメリットはないのです。以上の理由から、多くの保険会社では適用期間を短めに設定しているのが現状だといえます。
ちなみに、中古車・新古車であっても、エコカー割引の適用条件を満たしており、
上記の適用期間内に収まっていればエコカー割引を利用することが可能です。
エコカー割引は、いずれ廃止される傾向にあるといわれています。主な理由は、以下の2つです。
一昔前であれば、エコカーは非常に珍しい自動車でした。しかし、2017年7月現在、エコカーの普及率は高くなっており、エコカーの希少性はほぼなくなっています。
先述したとおり、保険会社は環境保護に取り組んでいることをアピールする一環として、エコカー割引を導入してきました。
しかし、エコカーの普及率が高くなれば、環境保護をアピールしてエコカーの普及活動を行う必要はありません。
そのため、エコカー割引の適用条件を厳しく設定したり、割引の廃止を検討する保険会社が増加しているのです。
近年の自動車は、ほぼエコ仕様となっています。また、エコ仕様ではなかったとしても、環境を考えた作りとなっているケースがほとんどです。
つまり、今後さらにエコカーの普及率は高くなると予想されるため、保険会社が環境保護を目的としたエコカーの普及活動を行う意味はなくなってきたといえます。
そのため、エコカーの普及活動に十分貢献したとして、エコカー割引制度を廃止する動きが活発化しているのです。
ちなみに、エコカー割引の廃止は、あくまでも将来的なお話であるため、今すぐに廃止されることはありません。廃止される際は、必ず保険会社から案内があるため、見逃さないようにチェックしておきましょう。
また、保険会社の割引サービスは、エコカー割引だけではありません。そもそもエコカー割引は割引適用期間が短いケースが多く、割引が適用されたとしても保険料が極端に安くなるわけではないといえます。
そのため、保険料の節約を考えるのであれば、エコカー割引にこだわる必要はありません。
少しでも保険料を抑えたい方は、一括見積もりサイトなどを活用し、複数の保険会社の保険料を比較検討した方が、結果的に保険料節約につながります。
私は年間で57,230円の保険料を支払っていましたが、保険スクエアbang!という一括見積もりサイトを利用して、保険料を20,630円まで安くすることに成功しました。
保険スクエアbang!は、見積もり結果がブラウザ上に表示されるので、すぐに保険料を知りたい方にはかなり便利なサービスだと思います。
ちなみに、難しいことは一切していません。5分くらいで出来てしまいました。見積もりサービスと聞くと、資料が大量に送られてくるんじゃないの?電話などの勧誘やセールスがくるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんでした。