車内にある物の損害に備えて、車内身の回り品特約へ加入する方法があります。便利な特約ではありますが、すべての物が補償されるわけではありません。また、保険会社ごとで補償内容は異なるものです。
そこで今回は、車内身の回り品特約の概要について取り上げながら、車内身の回り品特約にて補償される物と補償されない物、車内身の回り品特約が適用されないケースなど、詳しく解説していきたいと思います。
車内身の回り品特約とは、衝突事故や接触事故等によって契約車両に損害が生じ、車内(座席、ダッシュボード、トランク)にあった物や、キャリアに固定していた物が壊れたときに補償される特約です。
『身の回り品補償特約』、『車両積載動産特約』、『車内携行品補償特約』といった名称で呼ばれることもあります。
車内身の回り品特約を付帯するためには、車両保険への加入が必須となっている保険会社が大半です。しかし、損保ジャパン日本興亜のように、所定の条件を満たすことで車両保険へ加入していなくても付帯可能なことがあります。
また、補償範囲や補償対象となる物についても、保険会社ごとで違いがあるものです。車内身の回り品といった名称からも分かるとおり、基本的には車内にある物が壊れたときに補償される特約ですが、車内のみとは限らないことがあります。
車内外や、一時的に身の回り品を車から持ち出した際の損傷も、補償対象となることがあります。
補償対象となるものについては、バッグやカメラ等があり、貴重品は補償対象外となるため注意しましょう。また、スマホやタブレット等は、身の回り品とならないことがあります。
つまり、身の回りの品物の定義は、保険会社ごとで異なるケースがあるのです。次項から、更に詳しくみていくことにしましょう。
身の回り品特約で補償される物、補償されない物を以下にピックアップしました。あくまでも、一般的な内容となるため、先に触れたとおり保険会社ごとで異なります。参考までに、まずは以下をご覧ください。
など
など
主な品物の内容は、上記のとおりです。保険会社の公式WEBサイト上に記載されていなくても、約款に細かく書かれているケースが大半となるため、必ず目を通しておくようにしましょう。
なお、元々車に設置してあるカーナビは、車両保険で補償されることになります。ただし、ダッシュボードにディスプレイを固定するタイプのカーナビであれば、身の回り品特約で補償されることがあるようです。
また、保険会社ごとで対応が分かれる品物は以下の通りとなります。
など
特に注目したいのは、スマホ、携帯電話、タブレット、パソコンです。多くの保険会社では、公式WEBサイトで対象外であることを明確に案内しています。
しかし、はっきりと案内していないことがあるため、必ず保険会社へ確認してください。
この項では、身の回り品補償特約で補償される金額、免責金額について解説していきます。まずは以下の表をご覧ください。
各社が公式WEBサイトで案内していた内容を、表にまとめました。
保険会社名 | 補償金額 | 免責金額 |
---|---|---|
ソニー損保 | 10万円 |
5,000円 |
SBI損保 | 30万円 |
3,000円 |
イーデザイン損保 | 30万円 |
5,000円 |
そんぽ24 | 20万円 |
免責設定はあるものの 金額は不明 |
セゾン自動車火災 | 10万円、30万円、50万円 |
不明 |
あいおいニッセイ同和損保 | 30万円 |
不明 |
セコム損保 | 不明 |
5,000円 |
損保ジャパン日本興亜 | 30万円 |
なし |
補償金額は、1事故につき10万円から30万円が相場といえそうです。セゾン自動車火災のみ50万円までとなっていますが、今回リサーチした結果、そのようなケースは他に見掛けませんでした。更に詳しくリサーチすることで、数社程度見つかる可能性はあります。
一部の情報によると、最大100万円まで補償可能なケースもあるようですので、直接保険会社へ確認することをお勧めします。
続いて免責金額ですが、そんぽ24、セゾン自動車火災、あいおいニッセイ同和の3社は、はっきりと案内をしていませんでした。そんぽ24に関しては、免責設定は設けられているところまで分かりましたが、設定額はWEBサイトに記載されていません。
その他の保険会社については、5,000円が多いもののSBI損保のように3,000円といったケースもあります。また、損保ジャパン日本興亜は、免責を設定する必要はないとのことでした。
以上のことから、免責金額はおおよそ5,000円あたりが相場といえそうです。ちなみに、免責金額とは自己負担する金額を指します。
たとえば、免責金額が5,000円だったとしましょう。修理代で5万円掛った場合、5,000円を引いた45,000円が補償されるということです。免責を設定すると、その分は自己負担するといった意味合いとなるため、保険料を安く抑えることができます。
とはいえ、身の回り品特約の年間保険料は、数百円から2,000円前後です。免責を設定したからといって、極端にトータルの保険料が安くなるわけではありません。
身の回り品特約が適用されないケースに関しても、保険会社ごとで違いがあります。一般的な内容を以下にまとめました。まずはこちらをご覧ください。
など
上記には記載しませんでしたが、飛び出してきた自転車を避けようとして急ブレーキを踏み、車内にあった物品が破損した場合も補償対象外となります。ちなみに、保険会社ごとで対応が異なるのは、主に以下の3点です。
身の回り品特約の場合、契約車両に身の回り品が積載・固定されていることが条件となっています。ただし、細かな判断は保険会社ごとで異なるのです。
そのため、高価な物品を常に車に積んでおきたい方や、定期的に大切な物を車に積む機会がある方は、身の回り品特約が適用されないケースについて、加入している保険会社へ確認しておくようにしましょう。
身の回り品補償特約を使った場合、契約更新時に等級が下がることはあるのでしょうか。
リサーチしたところ、『1等級ダウン事故』、『ノーカウント事故』の2つに分かれる結果となりました。まずは以下をご覧ください。
保険会社名 | 保険事故の扱い |
---|---|
ソニー損保 | 1等級ダウン事故 |
SBI損保 | ノーカウント事故 |
そんぽ24 | 1等級ダウン事故 |
セゾン自動車火災 | 1等級ダウン事故 |
あいおいニッセイ同和損保 | ノーカウント事故 |
損保ジャパン日本興亜 | 1等級ダウン事故 |
その他の保険会社もリサーチしましたが、明確な案内は見当たりませんでした。そのため、身の回り品補償特約を付帯する際に、保険会社へ確認しておきましょう。
なお、上記の内容は、身の回り品補償特約のみ利用した際の扱いをまとめたものです。そのため、身の回り品補償特約と他の特約を同時に使用した場合、保険事故の扱いは変わってきます。
よく見掛けるのは、車両保険と身の回り品補償特約を同時に使うケースです。たとえば、SBI損保に加入しており、車両保険と身の回り品補償特約を同時に使ったとします。
身の回り品補償特約のみであれば、ノーカウント事故となるものの、同時に車両保険を使うことで1等級ダウン事故や3等級ダウン事故となることがあるのです。
保険会社の公式WEBサイトでは、細かく案内されていないケースが目立つため、直接問い合わせて確認するようにしましょう。
身の回り品補償特約が必要か判断に迷った際は、そもそも車に高価な物を積む機会が多いのか、日頃の状況を整理することをお勧めします。
その上で、高価な物を積む機会がほぼないのであれば、身の回り品特約に加入する必要はありません。
ただし、身の回り品特約の保険料は、年間最大でも2,000円程度とそれほど高くはないものです。そのため、保険料が掛ったとしても、不測の事態に備えておきたいのであれば、加入しておくのも1つの方法だといえます。
一方、高価な物を積む機会が多い場合ですが、安易に付帯することは避けましょう。まずは車に積む機会が多い身の回り品が、補償対象となっているか確認してください。
これまで解説してきたとおり、保険会社ごとで補償対象となる物品の内容は異なるからです。それから、補償金額、補償対象となる事故、補償対象外となる事故の内容もチェックすることをお勧めします。
以上、一通り内容を確認し、身の回り品特約を使った際の等級への影響も踏まえた上で、それでも身の回り品特約へ加入するメリットを感じるようであれば、付帯するようにしましょう。
ちなみに、単独事故や盗難に遭った際は自己負担すると割り切り、相手がある事故の場合は相手の対物賠償保険を利用しようと考える方がいます。しかし、相手の対物賠償保険に頼ることはお勧めできません。
なぜなら、必ずしも相手の対物賠償保険から補償されるとは限らないからです。また、自分にも過失がある場合は、過失相殺となるため補償額は少なくなります。
そのため、相手の対物賠償保険のことは考慮せず、身の回り品特約への加入を検討するようにしましょう。
私は年間で57,230円の保険料を支払っていましたが、保険スクエアbang!という一括見積もりサイトを利用して、保険料を20,630円まで安くすることに成功しました。
保険スクエアbang!は、見積もり結果がブラウザ上に表示されるので、すぐに保険料を知りたい方にはかなり便利なサービスだと思います。
ちなみに、難しいことは一切していません。5分くらいで出来てしまいました。見積もりサービスと聞くと、資料が大量に送られてくるんじゃないの?電話などの勧誘やセールスがくるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんでした。