事故で車が壊れた場合、車両保険を使って修理をすることができます。ただし損傷具合や修理費用によっては、車両保険を使わない方が良いケースがあるため注意が必要です。
そこで今回は、いくらの修理費なら車両保険を使うべきか取り上げながら、修理から保険金支払いまでの流れ、修理をせずに保険金だけ受け取ることはできるのかなど、詳しく解説していきます。
事故で車が壊れた場合、車両保険を使って修理をした方が良いケースと、車両保険を使わずに自腹で修理をした方が良いケースに分かれます。
一般的に、10万円から20万円の修理費用であれば、車両保険を使うことなく自腹で修理した方が得策です。とはいえ、10万円から20万円の修理費用はあくまでも目安であり、すべての方に当てはまるケースではありません。
そのため、車両保険の使い方を把握し、車両保険はいくらから使うものなのか、判断基準を知っておくことが重要となってきます。次項で詳しく見ていくことにしましょう。
車を修理するときに車両保険を使った方が良いか判断する際は、これからご紹介する3つの基準を参考にしてください。
自動車保険には、ノンフリート等級制度が導入されています。1等級から20等級に分かれており、新規契約時は6等級スタートです。
保険金を請求せずに契約の更新を迎えると、1等級アップして保険料の割引率は高くなります。逆に保険金を請求して契約の更新を迎えると、事故の内容によって3等級または1等級下がります。
また、7等級から20等級までは、事故有・無事故の割引率が設定されており、等級が下がるだけではなく、事故有の低い割引率が一定期間適用される仕組みです。
車両保険で修理した方が良いか判断をする際は、保険を使用したあとの等級が重要となります。ここで以下の表をご覧ください。
等級 | 無事故の割増引率 | 有事故の割増引率 |
---|---|---|
1等級 | 64%割増 |
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2等級 | 28%割増 |
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3等級 | 12%割増 |
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4等級 | 2%割引 |
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5等級 | 13%割引 |
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6等級 | 19%割引 |
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7等級 | 30%割引 |
20%割引 |
8等級 | 40%割引 |
21%割引 |
9等級 | 43%割引 |
22%割引 |
10等級 | 45%割引 |
23%割引 |
11等級 | 47%割引 |
25%割引 |
12等級 | 48%割引 |
27%割引 |
13等級 | 49%割引 |
29%割引 |
14等級 | 50%割引 |
31%割引 |
15等級 | 51%割引 |
33%割引 |
16等級 | 52%割引 |
36%割引 |
17等級 | 53%割引 |
38%割引 |
18等級 | 54%割引 |
40%割引 |
19等級 | 55%割引 |
42%割引 |
20等級 | 63%割引 |
44%割引 |
上記は、損害保険料率算出機構が公開している「ノンフリート等級制度」の割引率です。ほとんどの保険会社では、損害保険料率算出機構の割引率を基準として、等級ごとの割引率を決めています。
なぜ、保険を使用したあとの等級が重要なのかというと、元々等級が低い場合、翌年以降の保険料が大幅に値上がりすることがあるからです。
たとえば、7等級の時に3等級ダウン事故を起こした場合、翌年は4等級となってしまいます。元々30%割引だったのが翌年2%割引となるため、かなり保険料がアップしてしまうのです。
それから等級が低くなり過ぎると、事故リスクが高いと判断されて、次回の更新を拒否されることがあります。特にダイレクト型の自動車保険の場合、5等級以下になると契約が困難となるケースが少なくありません。
以上のことから、車両保険を使用したあとの等級を確認した上で、保険の利用を検討した方が良いのです。
保険を使った場合、翌年以降の保険料がどのくらいアップするのか確認し、いくらまでなら自分で修理代を支払うべきか計算することが重要です。
保険会社に直接問い合わせて確認するか、ソニー損保が公式WEBサイトで提供しているようなシミュレーションツールを活用しましょう。実際の計算方法は以下のとおりです。(ソニー損保のツールを使用)
現在の保険料:5万円
現在の等級:15等級
事故の種類:3等級ダウン事故
以上の結果から、保険を使った場合と使わなかった場合の差額は97,000円となることが分かりました。つまり、修理代が97,000円以下となり、尚且つ修理代を自己負担できると判断した場合は、保険を使わない方が良いといった判断となります。
厳密にいうと免責額も踏まえた上で検討する必要はありますが、基本的な計算方法や考え方は上記の通りです。
免責金額とは、自己負担金額のことを指します。以下の4パターンが主流です。
たとえば5-10万円の場合、契約期間中に初めて車両保険を使ったときの自己負担額は5万円。2回目以降に使ったときの自己負担は、10万円といった見方をします。
なぜ修理代と免責金額を比較するのかというと、免責を設定している場合は受け取ることができる保険金が少額となるケースがあるからです。
あくまでも1つの例ですが、修理代が10万円、免責が5万円だった場合、支払われる保険金は5万円となります。
保険を使うことで等級がダウンし、翌年から保険料が上がることを考えると、修理代が少額となるときは保険を使わない方が無難なのです。
ここでは、修理・交換で車両保険を使うかどうか判断する際の基準について、車の部品別に解説していくことにします。
車両保険を使う場合、パーツ交換をして損傷した箇所をすべて直した方が良いことがあります。
表面上は一部分のみ修理するだけで問題ないように見えても、内部で大きなダメージを受けていたり、広範囲に亘って損傷を受けていることがあるからです。
のちに修理が必要となった場合、その分は自腹で費用を負担しなければなりません。保険会社がパーツ交換を認めるかはケースバイケースですが、悪いところはすべて車両保険で修理してしまった方が得策なのです。
車種によって異なりますが、普通車のバンパー交換費用は5万円ほどだといわれています。軽自動車は3万円前後、グレードの高い車や高級車は10万円ほどです。
簡易補修程度なら1万円前後、部分修理であれば2万円から4万円前後となります。ライト、スポイラーなども損害を受けている場合、もう少々修理費用は高くなりますが、必ずしも車両保険を使って修理しなければならない金額ではありません。
損傷具合によっては、修理で対応できることがあります。たとえば、アルミホイールの修理の場合、最大でも1本あたり2万円から3万円ほどで直すことが可能です。
交換する場合は、4つすべて交換するケースが大半ですが、新品のアルミホイールであれば10万円以上、メーカーの純正なら6万円程度となります。費用はそれほど高額ではないため、個々の判断次第で車両保険を使うことになりそうです。
事故でタイヤが損傷した場合は、車両保険を使ってカバーすることができます。ただし、タイヤの交換や修理の費用は1本あたり2,000円から3,000円ほどであり、車両保険を使うほどではありません。
500円玉ほどの傷であれば、リペアで対応することができます。費用は1万円から2万円程度しか掛りません。フロントガラスの交換に関しては、最低でも10万円以上はみておいた方が無難です。
アイサイト搭載車のような、特殊なフロントガラスを使用した車の場合、20万円以上となることもあります。車両保険を使うべきかどうかは、トータルコストで判断することになりますが、10万円~20万円ほどであれば自腹で対応した方が良いといえそうです。
ちょっとした修理は自腹で対応できますが、ドアを交換するのであれば車両保険を使った方が良いといえます。たとえば国産のコンパクトカーの場合、ドア1枚の交換につき最低でも10万円前後かかるものです。
外車や高級車ともなれば、部品の取り寄せ費用なども発生するため、数十万円の費用が掛ることも珍しくありません。
結論からいいますと、車のハンドル交換や修理では車両保険を使う必要はありません。工賃を含めても費用は数万円程度に収まるケースが多く、自腹で十分対応できるといえます。
車両保険を使った際の修理から保険金支払いまでの流れは、保険会社の公式WEBサイトで案内されています。
今回は、イーデザイン損保の事例をピックアップしました。以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
手順 | 概要 |
---|---|
事故受付 | 電話、ネットでイーデザイン損保に連絡し、事故があったことを伝えます。 |
初期対応 | イーデザイン損保が、代車の手配、修理工場への連絡、被害者への連絡、医療機関への連絡を行います。 また、支払い対象となる保険金の内容について案内して貰うことが可能です。 |
事故の状況を確認 | 道路の状況、車の走行状況などから、車の損害範囲の確定をします。 また、調査の結果は、過失割合の判断根拠にもなります。 |
車の損害確認 | 車の損害状況を確認し、修理工場とイーデザイン損保が話し合った上で、保険で支払う修理費用が決まります。 |
示談の打ち合わせ | 車の損害額を確認した時点で、賠償額の打ち合わせが行われます。 打ち合わせの内容は、主に損害額と過失割合についてです。 |
保険金の支払い | 損害額の協定、示談が終わり、必要書類が揃ったら保険金が支払われます。 詳細に関しては、担当者から説明がある他、保険金支払案内はがきでも案内があります。 |
上記の内容は、イーデザイン損保が提携する修理工場で修理を行った場合を想定しています。自らが希望する工場で修理をする場合は、事前に保険会社と修理工場に確認が必要です。
勝手に修理をしてしまうと、保険金が支払われないことがあるため注意しましょう。
車両保険の保険金は、修理しないで受け取ることが可能となっています。修理はしないけれど、現金で保険金を受け取りたい旨を保険会社に伝えてください。そうすることで、指定した口座に振り込んでもらうことができます。
そもそも車両保険は、車の損害に対して支払われる保険です。修理するかどうかは、被保険者に委ねられています。
そのため、保険金は保険会社から修理工場へ支払われるケースが大半ですが、保険金を直接振込んでもらって修理をしなくても、契約違反とはなりません。
ただし、見積書に記載されている消費税、損害調査費用を差し引いた残りが支払われることになります。
また、保険金が支払われると、翌年の等級ダウンは避けることができません。それだけではなく、車両内部の見えない箇所が損傷していた場合、最終的には修理をすることもあります。
上記のデメリットを踏まえた上で、修理をせずに保険金だけ受け取るか検討するようにしましょう。
一般的に、車を修理してくれるところは3箇所あります。それぞれの特徴を把握した上で、修理の依頼先を決めるようにしましょう。
車両保険を使って修理をする際、ディーラーに依頼することができます。ディーラー以外のところで車を購入していても、修理は可能です。ただし、新品の部品と交換するケースがほとんどであるため、修理費用は高くなります。
損傷が酷い場合は部品交換をした方が良いこともありますが、費用を抑えたい方や修理で事足りる損傷状況の方は、修理工場やカーメンテナンス専門店の方がお勧めです。
保険会社が提携している修理工場、もしくは街の修理工場で車を直してもらうことができます。中古の部品を使用するなど、臨機応変な対応が可能なため、ディーラーよりも修理費用を抑えたい方にお勧めです。
カーメンテナンス専門店も、修理工場と同様に臨機応変な対応が可能です。比較的安価な費用で修理できるケースが多いため、費用を抑えたい方は修理工場と比較検討することをお勧めします。
私は年間で57,230円の保険料を支払っていましたが、保険スクエアbang!という一括見積もりサイトを利用して、保険料を20,630円まで安くすることに成功しました。
保険スクエアbang!は、見積もり結果がブラウザ上に表示されるので、すぐに保険料を知りたい方にはかなり便利なサービスだと思います。
ちなみに、難しいことは一切していません。5分くらいで出来てしまいました。見積もりサービスと聞くと、資料が大量に送られてくるんじゃないの?電話などの勧誘やセールスがくるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんでした。