三井住友海上は、顧客満足度が高い保険会社として知られています。迅速で安定した事故対応力が強みとなっており、ニーズに合わせた保険設計が可能です。ただし、ここ最近は事故対応力の評価が下がっている様子が伺えます。
そこで今回は、2017年現在の三井住友海上の事故対応力評価について取り上げながら、事故対応の概要、ロードサービスの概要、ランキングから分かる三井住友海上の事故対応評価など、詳しく解説していきます。
三井住友海上は、国内3大損保の1つであるMA&ADグループの保険会社です。あいおいニッセイ同和、三井ダイレクトも同じグループ企業となっています。
メインで取扱っている自動車保険は「GK クルマの保険」ですが、2018年1月1日より初めて自動車保険に加入する方を対象とした「(個人用自動車保険)はじめての自動車保険」を販売することが決まっています。
そのほか1日自動車保険「1DAY保険」も人気を博しており、ニーズにマッチした補償プラン、補償設計を重視する方に適した保険会社だといえそうです。また顧客満足度が高い点も、三井住友海上の特徴の1つといえます。
保険料は高めに設定されているものの、事故対応時のきめ細やかなサポートに定評があるため、事故対応力が安定している自動車保険を選びたい場合は、三井住友海上を候補の1つとして挙げることをおすすめします。
ただし、近年はダイレクト型自動車保険が事故対応力の強化を図っており、その勢いに押されている状況です。
自動車保険を選ぶ際は、複数社の自動車保険を比較した上で、加入を決める必要があります。
三井住友海上の、事故対応の注目ポイントは3つあります。
三井住友海上では、夜間・休日でも初期対応を行っています。受付時間については、公式WEB上で詳しく案内をしていないため、直接問い合わせて確認してください。
初期対応では、相手方への連絡、医療機関への連絡、修理工場への連絡など、状況に合わせて担当者が手配をしてくれます。なお、三井住友海上の事故受付コールセンターは、24時間365日営業をしています。
三井住友海上では、全国約227箇所に「保険金お支払いセンター」を設置し、約8,160名の専門スタッフが迅速な事故解決に向けて対応しています。
また三井住友海上の自動車保険の場合、交通事故の慰謝料、見舞金に関する相談も保険金お支払いセンターで対応しています。
三井住友海上の自動車保険に加入すると、契約時に「ロードサービス費用特約」が自動セットとなり、あわせて「おクルマQQ隊」が提供されます。
全国約4,300箇所からレスキュー隊員が駆けつけてくれるため、事故や故障などのトラブルが発生したときでも迅速なサポートが可能です。
三井住友海上が扱っている、自動車保険の事故対応の特徴は以下の表のとおりです。
対応時間 | ・24時間365日の事故対応 ※夜間、休日も初期対応を実施(受付時間は不明) |
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初期対応の内容 | ・相手方への連絡 ・医療機関への連絡 ・修理工場への連絡 ・レンタカー会社への連絡 など ※要望に応じて対応してもらえる |
事故対応実績 | ・事故対応実績:年間2,045,000件(2016年度) ※1日あたり5,600件の解決実績 |
サポート体制 | ・保険金お支払センター:全国180箇所(2017年4月現在) ・代理店:41,305ヶ所(2017年3月現在) ・ロードサービス拠点:全国約4,300箇所(2017年4月現在) ・事故対応スタッフ:約8,160名 |
ここで注目したいのは、三井住友海上の事故対応実績です。2016年度の実績によると、年間200万件を越える事故対応にあたっており、経験や事故解決ノウハウは他社と一線を画している様子が伺えます。
また事故連絡は電話やWEBだけに限らず、LINEからの連絡も可能です。そのため、わざわざ三井住友海上の事故受付コールセンターの電話番号を調べて、電話を架ける必要はありません。
三井住友海上が提供しているロードサービスの内容を、以下の表にまとめました。
特徴 | ・受付時間は24時間365日 全国約4,300箇所(2017年4月現在) |
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おクルマQQ隊 | ・レッカーけん引約500kmまで ・宿泊費1名1万円まで ・交通費1名1万円まで ・自走不可の場合はレンタカー代7,000円まで ・現場での応急処置(バッテリー上がり、ガス欠、キー閉じ込み、パンクタイヤ交換、30分以内の軽作業) |
ロードサービス 費用特約 |
・運搬・搬送・引取費用保険金 ・臨時宿泊費用保険金 ・臨時帰宅・移動費用保険金 ・レンタカー費用保険金 |
三井住友海上では、自動車保険契約時にロードサービス(ロードサービス費用特約)が自動セットされます。
レッカーけん引、現場での応急処置、緊急宿泊費用・移動費用など、必要最低限のサービスは網羅されているため安心です。
また、レンタカー費用特約、移動費用対象外特約を別途付帯し、より手厚いサポートを受けることもできます。ただし契約条件があるため、事前に確認しておきましょう。
三井住友海上が提供する事故対応の内容は以下のとおりです。
上記の中から2つピックアップし、詳しく解説していきます。
三井住友海上では、便利な「Webサービス」「LINEサービス」を提供しています。それぞれのサービス概要は以下のとおりです。
24時間365日いつでもパソコンやスマホから利用できるサービス(無料)です。契約内容確認、住所変更、自動車保険の契約内容変更受付、事故連絡などを行うことができます。
LINEサービスとは、LINE経由で三井住友海上からサポートが受けられるサービスのことです。
契約内容の確認、代理店情報の確認だけに限らず、事故連絡や事故の経過確認も可能となっているため、とても心強いサービスだといえます。
なお、LINEトークから直接問い合わせることもできるため、三井住友海上のサービスセンターに電話を架ける必要はありません。
また、Webサービスと連携していることから、LINEサービスと併用するとより利便性が高まります。
「スマ保」とは、三井住友海上が独自で開発したスマホアプリサービスです。
事故対応、自動車のトラブル時に利用すると、迅速な対応を期待することができます。事故・故障に関わるサービスは以下の3つです。
代理店の連絡先、営業時間を確認することができます。電話番号やメールドレスが記載されており、タップするとそのまま代理店に連絡を取ることが可能です。
画面上に表示された「事故・故障」のいずれかをタップすると、それぞれの対応方法を確認することができます。
・事故の場合
事故の際に必要となる初期対応の情報を得ることができます。
・故障、トラブルの場合
自分の保険証券番号、契約車両の現在地(GPS機能を使用)を「おクルマQQ隊」宛てに送信することができます。三井住友海上のロードサービスの電話番号を調べる手間が省けるため大変便利です。
事故発生時の連絡先の情報を得ることができます。その他スマホで撮影した事故現場・衝突物の写真や動画を三井住友海上に送信できたり、事故の対応状況を確認することも可能です。
三井住友海上が提供する、ロードサービスの内容は以下のとおりです。
三井住友海上のロードサービスでは、以下の「応急処置サービス」を提供しています。
①バッテリー上がり(※1)
②ガス欠時のガソリン補給10!まで(※1)
③キー閉じ込み
④パンク時のスペアアタイヤ交換
⑤30分以内の応急修理、軽作業
※1:保険期間中1回のみ無料
三井住友海上は、JAFと提携しています。JAF会員の方は、優遇サービスの利用が可能です。詳細は以下の表の通りとなります。
主なサービス内容 | 保険付帯サービスのみ | JAF+保険付帯サービス |
---|---|---|
無料サービス範囲を超えた 作業料金/部品代等 |
自己負担 |
4,000円まで 三井住友海上が負担※1 |
けん引・搬送 | 30万円限度※3 |
30万円限度※2※3 |
バッテリー上がり | △回数制限あり※4 |
○回数制限なし |
燃料切れ(ガソリン・軽油) | △回数制限あり※4 |
○回数・場所制限なし |
燃料切れ時の 燃料代無料サービス※4 |
1保険年度に1回 |
1保険年度に1回 |
キーの閉じ込み | ○対象 |
○対象 |
パンク時のスペアタイヤ交換 | ○対象 |
○対象 |
パンク応急修理 | △一部対象 (備え付け修理キットによる30分以内で可能な応急修理は無料) |
○対象 |
タイヤチェーンの着脱 | ×対象外 |
○対象 |
雪道・ぬかるみ等(スタック)からの引き上げ | ×対象外 |
○対象 |
自然災害に起因した事故・故障 | △一部対象 (地震・噴火・津波は対象外) |
○対象 |
参照:JAF公式サイト(平成27年10月現在)
※1:燃料代は自己負担
※2:JAF会員の無料範囲は除外
※3:けん引費用は、運搬・搬送・引取費用特約で30万円または車両保険金額の10%のいずれか高い金額まで補償が可能
※4:1保険年度にそれぞれ1回まで無料
※5: 1回に最大10!まで無料。超過した場合は有料
三井住友海上とJAFを組み合わせることで、7つのロードサービスが追加されます。
バッテリー上がり、燃料切れの給油作業(2回以降の燃料代は有料)が回数制限なく利用できるため大変便利です。
また、無料範囲を越えた作業代や部品代は、4,000円まで三井住友海上に負担してもらえます。
「J.Dパワーアジア・パシフィック・ジャパン」「オリコン日本CS顧客満足度調査」「価格.com」が実施した、2017年の事故対応ランキングを以下にまとめました。
三井住友海上の事故対応を分析していくことにしましょう。
J.Dパワーアジア・パシフィック・ジャパン 2017年 |
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・顧客満足「代理店部門」:7位 ・事故対応「代理店部門」:3位(総合6位) ・新規加入者「代理店部門」:5位 |
J.Dパワーが発表した2017年のランキングは上記のとおりです。顧客満足度は7位とまずまずの結果となりました。
ただし、事故対応では代理店系部門で3位を獲得しています。総合評価では6位ですが、事故対応力は比較的安定している様子が伺えます。
また2016年のランキングは、事故対応で総合11位、代理店系部門で6位だったことから、事故対応力の向上に力を入れているといえそうです。
オリコン日本CS顧客満足度調査 2017年 |
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・総合:14位 ・事故対応:10位 ・調査・認定結果:9位 |
先ほどのJ.Dパワーとは異なり、残念な結果となりました。ただし、ランキングサイトによって順位が大きく変動する場合は、他のランキングも参考にした方が賢明です。
また、三井住友海上は、以前から顧客対応や事故対応に定評があります。極端に評判が落ちている場合は、可能な限り情報を集めながら他社と十分に比較しましょう。
価格.com満足度ランキング 2017年 |
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顧客対応:5位 事故対応:2位 |
顧客対応では5位、事故対応では2位を獲得しています。ランキングの内容としては、J.Dパワーとほぼ同じ評価と考えて良さそうです。
つまり先ほどのオリコンのランキング結果は、それほど深刻に捉える必要はないといえます。ただし1つ注意したいのは、ここ2~3年の間で評価を落としている様子が伺えることです。
過去の価格.comランキングを確認したところ、2016年は事故対応3位、2015年は事故対応1位を獲得しています。
評価が落ちている理由はいくつか考えられますが、どちらかというと三井住友海上の事故対応力が低下しているのではなく、ソニー損保などのダイレクト型自動車保険が、事故対応力強化に乗り出していることが影響を与えているようです。
そのため、事故対応力で保険会社を選ぶ際は、過去の評価なども踏まえた上で比較することをおすすめします。
私は年間で57,230円の保険料を支払っていましたが、保険スクエアbang!という一括見積もりサイトを利用して、保険料を20,630円まで安くすることに成功しました。
保険スクエアbang!は、見積もり結果がブラウザ上に表示されるので、すぐに保険料を知りたい方にはかなり便利なサービスだと思います。
ちなみに、難しいことは一切していません。5分くらいで出来てしまいました。見積もりサービスと聞くと、資料が大量に送られてくるんじゃないの?電話などの勧誘やセールスがくるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんでした。