富士火災は、大正7年に創業した損害保険会社です。自動車保険の販売をはじめたのは、昭和27年からとなっており、安心の質にこだわりを見せた高品質な自動車保険は、高く評価されてきました。
2018年1月1日にAIU損保と合併するため、富士火災としての長い歴史は幕を閉じてしまいますが、補償内容の大半は富士火災のものが引き継がれるようです。
今回は、合併前の富士火災の事故対応に焦点を当てながら、詳しく解説していくことにします。
富士火災は、AIGホールディングスの子会社です。AIGホールディングスは、世界80以上の国や地域で保険事業を展開している企業として知られており、グループ会社として「AIG損保」があります。
富士火災の創立は1918年と古く、間もなく創立100周年を迎えようとしていますが、2018年1月1日にAIG損保と合併するため、富士火災の社名はなくなります。今後は「AIG損害保険」となり、再出発を図ることになるのです。
そのため、今回は2017年11月現在、富士火災が提供している自動車保険について取り上げていきます。富士火災の自動車保険は数種類用意されており、要望に合わせた補償設計が可能です。
主な商品名は、「FAI(一般用総合自動車保険)」「FAPNEO(家庭用総合自動車保険)」、「ベリエスト」「MUSE(ミューズ)」「ON/OFF」となっています。
ちなみに合併後ですが、一般用総合自動車保険は「AAP」、家庭用総合自動車保険は「AAI」となり、その他の商品名は「ベリエストミューズ」「ベリエスト」「ミューズ」といった具合に、おおよそそのまま商品名は残るようです。
ただし、補償内容などは若干変わってくるため、加入を検討する方、または継続契約を考えている方は、一通り目を通しておくことをお勧めします。
富士火災の事故対応や応対品質に関しては、代理店型の自動車保険の中で高く評価されており、「対応が親切で丁寧」といった声が目立ちました。
そのため、合併後もこれらの評価が引き継がれることを期待したいところです。
富士火災の事故対応の注目ポイントは3つあります。
富士火災では、深夜・休日でも平日と同じサービスが利用できます。初期対応に関しては、平日夜間(17時から翌朝9時)、休日(土日祝日)も対応が可能です。
ただし、事故の状況によって初期対応が困難なケースがあります。詳細は、富士火災へ確認してください。
富士火災の独自調査によると、事故対応の満足度は96.3%(満足~普通と回答した割合)となっています。
自社の調査であるため、実際の数値はもう少々低くなる可能性はありますが、品質の高い事故対応をしているといえそうです。
また、富士火災の事故対応の評判をリサーチしたところ、代理店型自動車保険の中ではトップクラスの事故対応力でした。
そのため、事故対応は充実していると考えて間違いなさそうです。
「ミューズ」もしくは「ベリエストミューズ」契約者対象サービスです。保険証券に印字されたQRコードから、契約者専用のモバイルサイト経由でユーザー登録をしておくと、以下のサービスを利用することができます。
富士火災の事故対応の特徴をまとめました。まずは以下をご覧ください。
上記の中から2点ピックアップし、詳しく解説します。
ベリエスト(一般総合自動車保険・家庭用総合自動車保険)を契約している場合、保険金支払いの対象となる事故を起こした際、富士火災へ事故報告をして事故受付が完了してから1時間以内に初期対応状況のお知らせ連絡があります。
初期対応では、主に「相手方への連絡」「今後の対応方法に関するアドバイス」「修理工場への連絡」「医療機関への連絡」などの手配を富士火災にお任せすることが可能です。
また、事故で相手方からその場で慰謝料を請求された場合も、すぐに相談することができます。
事故緊急対応サービスとは、パッケージ化された富士火災のオリジナル商品です。10種類の緊急対応サービスを提供しています。
概要は以下のとおりです。なお、以下のサービスの一部は2017年12月31日をもって終了してしまうため、サービス名のみご紹介します。
富士火災では、ロードサービスを無料提供しています。概要を以下にまとめましたので、まずはこちらをご覧ください。
上記の中から2つピックアップし、詳しく解説します。
富士火災のロードサービスはそれほど充実していませんが、以下の現場応急対応を行っています。
これといった独自サービスは含まれておらず、一般的な自動車保険のロードサービス並みの内容です。
AIUと合併したあとも、上記と同じ内容で「現場応急対応」を行います。ちなみに、上記では触れませんでしたが、けん引については取扱いが少々特殊です。
レッカー車やキャリアカー等で修理工場まで搬送する費用は、「車両搬送費用特約」を付帯することで補償されます。自家用8車種であれば、上限30万円までです。
富士火災の場合、ロードレスキューの無料対応距離は案内していないため、30万円までの距離数が分かりません。
たとえば、東京海上日動は15万円(約180km)、三井住友海上は30万円(約500km)となるため、相当な距離をレッカーして貰うことができそうです。
なお、富士火災のロードサービスの電話番号についてですが、合併後に関しては詳しく案内されていませんでした。引き続き契約する方は注意してください。
臨時宿泊費などは、富士火災のロードレスキュー、ロードレスキューミニの中に含まれていません。
しかし、特約として付帯することで、カバーしてもらうことができます。概要を以下にまとめましたので、参考にしてください。
1事故もしくは1故障:30万円まで(一部50万円まで)
修理後、車を自宅またはその他の場所まで運搬する費用などを補償
1事故もしくは1故障:1名あたり1万円まで
事故や故障で臨時宿泊する場合、ホテル代(客室料)を補償
1事故もしくは1故障:1名あたり2万円まで
事故や故障した場所から出発地、自宅、もしくは目的地へ移動する際にかかる交通費を補償
「J.Dパワーアジア・パシフィック・ジャパン」「オリコン日本CS顧客満足度調査」「価格.com」が実施した、2017年事故対応ランキングを用いながら、富士火災の自動車保険の事故対応を分析していきます。
J.Dパワーアジア・パシフィック・ジャパン 2017年 |
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・顧客満足度「代理店部門」:2位 ・事故対応「代理店部門」:4位(総合:8位) ・新規加入者「代理店部門」:3位 |
国際的な顧客満足度調査機関であるJ.Dパワーによると、富士火災のランキングは上記の通りとなりました。
ご覧のとおり、全体を通して評価が高いことが分かります。
中でも、顧客満足度、事故対応満足度は代理店型保険会社の中でトップクラスです。
ダイレクト型の自動車保険と比較すると、富士火災の評価はやや落ちてしまいますが、万が一自動車事故を起こしても安心してお任せすることができそうです。
オリコン日本CS顧客満足度調査 2017年 |
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・総合:8位 ・加入、更新手続き:10位 ・商品内容の充実度:8位 ・保険料:10位 ・事故対応:5位 ・調査・認定結果:2位 ・受領・支払いスピード:3位 ・サポートサービス:6位 |
オリコンのランキング結果ですが、全体的な評価はそこまで高くはありませんでした。
しかし、事故対応が5位、調査・認定結果が2位、受領・支払いスピードが3位となっています。
先ほどのJ.Dパワーのランキングでも、事故対応の評価は高かったことから、事故対応力は高いと判断して良さそうです。
また、保険会社によって、事故調査が厳しいと保険金の支払いを渋るケースがありますが、富士火災の場合はそのような様子は伺えませんでした。
価格.com満足度ランキング 2017年 |
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顧客対応:6位 事故対応:5位 |
価格.comの場合、ランクインしていたのは上記2つのみでした。とはいえ、顧客対応と事故対応がランクインしているということは、やはり事故対応力は高めだといえます。
また、2018年1月1日以降、AIUと合併した際、これらの評価がどのように変化するのか気になるところですが、AIUは全体を通して高く評価されている保険会社です。そのため、今以上に事故対応力が高まる可能性が期待できます。
私は年間で57,230円の保険料を支払っていましたが、保険スクエアbang!という一括見積もりサイトを利用して、保険料を20,630円まで安くすることに成功しました。
保険スクエアbang!は、見積もり結果がブラウザ上に表示されるので、すぐに保険料を知りたい方にはかなり便利なサービスだと思います。
ちなみに、難しいことは一切していません。5分くらいで出来てしまいました。見積もりサービスと聞くと、資料が大量に送られてくるんじゃないの?電話などの勧誘やセールスがくるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんでした。