『インターネット割引1万円!』といった宣伝文句を見ると、保険料がとても安くなるイメージを持ってしまいがちです。割引額が大きいことは否めませんが、実際のところどのくらい保険料は安くなるのでしょうか。
そこで今回は、インターネット割引の仕組みや比較ポイントについて取り上げながら、インターネット割引を扱っている保険会社一覧、割引の種類など詳しく解説していきます。
自動車保険は、代理店型とダイレクト型(通販型)の2パターンに分かれます。そのうち、ダイレクト型の自動車保険の場合、インターネット経由でサービスを提供しているケースが大半です。
インターネット割引は、ダイレクト型の自動車保険が提供している割引サービスの1つで、複数の保険会社が取り扱っています。
ダイレクト型自動車保険の場合、ほぼすべての手続きなどをインターネット上で行うため、代理店型とは異なり人件費や店舗の運営費、広告費等がそれほど掛りません。
つまり、インターネット割引は単に保険料を割引しているのではなく、コストを削減することができた分、顧客に還元しているともいえます。
インターネット割引の内容は、保険会社によって異なるものです。また、割引額の計算方法によって3つの種類に分かれるため、比較検討する際は注意が必要となります。
まずはインターネット割引が受けられる保険会社を把握した上で、各保険会社の割引額をチェックするようにしましょう。
まずはインターネット割引が受けられる保険会社について、詳しく見ていくことにします。
以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
保険会社名 | 新規契約 | 継続契約 | 補足 |
---|---|---|---|
ソニー損保 | 10,000円 |
2,000円 |
前契約時にネット割引(新規契約)が適用されており、継続契約もネットで申込みした場合、5,000円割引となる |
イーデザイン損保 | 10,000円 |
10,000円 |
特になし |
三井ダイレクト | 年払:4,000円~10,000円 月払:年間4,320円~10,800円 |
年払:3,000円 月払:3,240円 |
新規契約の場合、保険料の支払い方(年払・月払)、割引前保険料によって割引額は変動する |
セゾン自動車火災 | 10,000円 |
10,000円 |
分割払の場合、9,960円割引となる |
そんぽ24 | 10% |
7% |
継続契約する場合、継続割引も適用となるため合計10%の割引率となる |
SBI損保 | 10,000円 |
10,000円 |
2015年9月30日以前始期契約の場合、5,500円割引。 また継続契約の場合は、マイページに保存されている継続見積もりから手続きを行う必要がある |
チューリッヒ | ・保険開始日2016年1月1日~ |
・保険開始日2016年1月1日~ 2017年7月31日以前 保険開始日2017年8月1日以降 継続1回目:2,000円~5,000円 継続2回目以降:1,500円 |
保険料によって割引金額が異なる。 また新規契約の場合は、保険開始日によって割引金額が異なる |
アクサダイレクト | 2,000円~10,000円 | 1,000円 |
保険料の支払い方法(一括・分割)、保険始期日によって割引額の計算方法は異なる |
セコム損保 | 3,500円 |
2,000円 |
特になし |
先に触れたとおり、インターネット割引は3種類に分かれます。割引の金額だけを比較すると、新規契約時の場合は最高1万円、最低3000円前後となっており、割引額が1万円を越える保険会社はありません。
ただし、保険料が高額となった場合、そんぽ24のみ割引額が1万円を越えることがあります。
また継続契約においては、イーデザイン損保とセゾン自動車火災の2社のみ1万円割引、そんぽ24が7%割引ですが、その他の保険会社は5,000円以下であることが分かります。
1つ注意したいのは、保険料の支払い方で割引額が変動するケースがあることです。たとえばセゾン自動車火災の場合、分割払いを選択すると9,960円と40円減額されます。
それからソニー損保の場合ですが、上記表の継続契約の欄では2,000円と割引額は低めです。
しかし、前契約の際にネット割引(新規契約)が適用されており、継続契約もネット経由で申込みをした場合は、割引額が5,000円となります。
最後の③については、インターネット割引の種類に関連するお話となるため、次項を参考にしてください。
インターネット割引の種類の名称は特に決まっていませんが、ここでは『定額型』、『階段型』、『定率型』の3種類として解説していきます。
割引前の保険料に関係なく、割引額は固定されています。ダイレクト型の自動車保険では、定額型のインターネット割引を扱っているケースがほとんどです。
保険会社ごとで割引額に若干の違いはありますが、割引後の保険料が一目瞭然となるため分かりやすいといえます。
段階型は、保険料に応じて割引額が段階的に変動します。保険会社ごとで金額の区分は異なるため、事前に確認しておきましょう。
また、保険料の支払い方(一括・分割)によって割引額が異なることもあります。たとえば、三井ダイレクトの場合は以下のとおりです。
割引前保険料4万円未満:4,000円割引
割引前保険料4万円以上 5万円未満:4,500円割引
割引前保険料年間43,200円未満:年間4,320円
割引前保険料年間43,200円以上54,000円未満:年間4,920円
上記のとおり、保険料を計算してみないことには割引額が決まらないため、定額型よりも少々分かりづらいのが難点です。
定率型を採用している保険会社は、現在のところ『そんぽ24』のみです。割引前の保険料に対して、保険会社が定めた割引率を乗じた額が引かれる仕組みとなっています。
たとえば、保険料が5万円で割引率が10%だった場合、割引額は5,000円です。つまり、保険料が高くなると、他社のインターネット割引よりも割引額が高くなることがあります。
インターネット割引を採用している保険会社をまとめました。まずは以下の表をご覧ください。
インターネット割引の種類 | 採用している 保険会社名 |
特徴 |
---|---|---|
定額型 | ソニー損保 イーデザイン損保 セゾン自動車 SBI損保 セコム損保 |
保険料に関係なく割引金額は一定です |
階段型 | 三井ダイレクト チューリッヒ アクサダイレクト |
保険料に応じて割引額が変動します |
定率型 | そんぽ24 | 保険料に比例して割引率が変動します。 アメリカンホームも定率型でしたが、2016年4月1日にて新規販売を終了しています。 また、契約更改手続きについても更新契約終了となっているため、今回は取り上げていません。 |
上記のとおり、定額型を採用している保険会社が最も多いことが分かります。定額型の場合、割引額は保険料に関係なく一定となるため、割引前の保険料が安い方ほどお得です。
段階型と定率型を採用している保険会社は少なく、どちらも割引前の保険料が安いと割引額は低くなりがちです。
ただし定率型に関しては、先に触れたとおり保険料が上がるほど割引額は高くなります。
以前、アメリカンホームも定率型を採用していましたが、2017年7月現在、すでに自動車保険の販売・契約更新を終了しています。そのため、今回は取り上げませんでした。
なお、アメリカンホームの場合は、そんぽ24と同様に10%割引となっていましたが、割引額は最大2万円までと上限を設けていました。
インターネット割引を受ける際、注意したいことが3つあります。要点を以下にまとめましたので、参考にしてください。
インターネット割引を利用するためには、見積もり・契約の手続きをすべてネット上で行う必要があります。
電話で相談しながら契約手続きを行うこともできますが、割引が適用されないことがあるため注意しましょう。
『ネット経由で契約手続きを行う』といったルール以外にも、保険会社ごとで適用条件が設けられていることがあります。適用条件の一例は、以下のとおりです。
など
適用条件は、保険会社の公式WEBサイトで詳しく案内されていないケースが目立ちます。そのため、詳細は直接問い合わせて確認しておきましょう。
また、保険会社を乗り換える場合、早めに手続きを行わないとインターネット割引が適用されないことがあります。前契約の満期日ギリギリで、契約手続きを行うことは避けるようにしてください。
別の項で触れたとおり、保険会社ごとで割引額や割引率は異なります。インターネット割引が適用された場合でも、思っていたほど安くはならないことがあるものです。
そのため、割引前の保険料を確認するのはもちろんのこと、割引額・割引率を必ず確認しておきましょう。
各保険会社では、インターネット割引以外にも様々な割引を提供しています。『保険証券不発行割引』もその中の1つです。
扱っている保険会社を表にまとめましたので、まずはこちらをご覧ください。
保険会社名 | サービス名称 | 割引額 |
---|---|---|
ソニー損保 | 証券ペーパーレス割引 |
500円 |
イーデザイン損保 | 証券e割 |
500円 |
三井ダイレクト | eサービス割引 |
500円 |
セゾン自動車火災 | 証券不要割引は廃止となり、保険始期日2017年1月以降はデジタル保険証券発行を希望することで割引される | 600円 |
そんぽ24 | 証券省略割引 |
500円 |
SBI損保 | 証券不発行割引 |
500円 |
チューリッヒ | e証券割引 |
500円 |
セコム損保 | サービス名は特になし |
500円 ※分割払の場合は480円 |
そもそも保険証券不発行割引とは、自動車保険証券を書面発行・郵送しないことで割引されるサービスです。
上記の通り、500円割引となるケースが目立ちます。保険証券不発行割引の利用する場合は、契約時に申告してください。
サービスの名称は保険会社ごとで異なりますが、割引内容は同様となります。上図の中で、他社と異なるのはセゾン自動車火災とセコム損保の2社です。
セゾン自動車火災は、割引額が600円となっている他、セコム損保は保険料を分割払いにすると割引額が20円低くなります。
ちなみに2017年7月現在、上記で取り上げた保険会社以外では、保険証券不発行割引を扱っていません。
ただし、保険証券の不発行は可能です。割引はありませんが、不発行を希望する場合は、保険会社へ申告してください。
なお、契約後に保険証券を発行することも可能ですが、保険会社ごとで手続き方法や発行料は異なります。詳細は、直接問い合わせてください。
保険会社が扱っている割引サービスの中で、インターネット割引は割引額が比較的高く設定されています。とはいえ、割引額だけで判断するのは早計です。最も重要なのは、割引後の保険料だといえます。
なぜ、インターネット割引額よりも割引後の保険料が大切なのか、2つの理由をピックアップしました。参考にしてください。
事例を用いながら、詳しくみていくことにしましょう。
たとえば、割引前の保険料が41,000円(ネット割引は5,000円)の保険会社と、40000円(ネット割引は10%)の保険会社があったとします。割引後の保険料は以下の通りです。
・41,000円-5,000円=36,000円
・40,000円-(40,000×10%)=36,000円
割引前は41,000円の保険会社の方が高かったものの、割引後は両社とも同額となりました。
上記のように、割引の計算方法が異なると、割引後の保険料が同額となることがあります。そのため、割引額のみで判断せず、割引後の保険料で比較することが重要なのです。
割引前の保険料は、保険会社ごとで大きく異なります。インターネット割引を使ったとしても、割引後の保険料が他社よりも高くなることがあるのです。
これまで解説してきたとおり、インターネット割引の最大額は1万円が主流となります。たとえば、同じ契約条件で見積もりを出した結果、割引前の保険料が50,000円の保険会社と、35,000円の保険会社があったとしましょう。
50,000円の保険会社にはネット割引1万円があるものの、35,000円の保険会社は割引なしだったとします。
割引後の保険料を比較すると、いうまでもなく35,000円の保険会社の方がお得です。
上記のようなケースは、珍しい話ではありません。割引の有無だけで保険会社を選定すると、結果的に損をすることがあるのです。
そのため、割引額だけで保険会社を比較するのではなく、一括見積もりなどを活用しながら、割引後の保険料で比較することが重要なのです。
私は年間で57,230円の保険料を支払っていましたが、保険スクエアbang!という一括見積もりサイトを利用して、保険料を20,630円まで安くすることに成功しました。
保険スクエアbang!は、見積もり結果がブラウザ上に表示されるので、すぐに保険料を知りたい方にはかなり便利なサービスだと思います。
ちなみに、難しいことは一切していません。5分くらいで出来てしまいました。見積もりサービスと聞くと、資料が大量に送られてくるんじゃないの?電話などの勧誘やセールスがくるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんでした。