自動車保険には、主に4つの種類があります。SAP・PAP・BAP・ドライバー保険です。近年はリスク細分型の自動車保険が一般的となっているため、自動車保険の種類について意識することは少なくなりました。
とはいえ基本的な知識がないと、適切な自動車保険へ加入することはできません。そこで今回は、自動車保険の種類について取り上げながら、種類ごとの概要や特徴、各保険の選び方について解説していきます。
自動車保険は、補償内容の組み合わせに応じて4つに分類されています。SAP(自家用自動車総合保険)、PAP(自動車総合保険)、BAP(一般自動車保険)、ドライバー保険の4つです。
ようするに、自動車保険の補償がパッケージ化された商品だといえます。1998年に保険が自由化されるまでは、自動車保険の補償内容や保険料にほとんど差はなく、どの保険会社も上記4つのパッケージ商品が主流でした。
しかし現在は、補償内容を自らカスタマイズするスタイルに変わりつつあるため、上記4つのパッケージ商品にとらわれず、ニーズに沿った保険選びが可能となっています。
そのため、初めて自動車保険に加入する方や、あまり自動車保険に詳しくない方は、自動車保険の選び方が分かりづらくなっているのが現状です。
保険会社によって、SAP、PAP、BAP、ドライバー保険の4つをすべて扱っていないこともありますが、各パッケージ商品の概要を抑えておけば、自動車保険を選びやすくなります。
次項から、それぞれのパッケージ商品について詳しく解説していくことにしましょう。
SAP、PAP、BAPの違いは、補償内容にあります。自動車保険の種類一覧は下表のとおりです。
まずは、それぞれの補償内容と特徴を確認していきましょう。
保険の種類 | SAP | PAP | BAP | ドライバー保険 |
---|---|---|---|---|
補償内容 | 対人賠償 対物賠償 搭乗者傷害 自損事故 無保険車傷害 車両保険 |
対人賠償 対物賠償 搭乗者傷害 自損事故 無保険車傷害 |
対人賠償 対物賠償 車両保険 |
対人賠償 対物賠償 |
保険の特徴 | 総合保険 |
車両保険は任意付帯となる | みすから補償を選ぶことができる | 車を所有していない方専用の保険 |
※保険会社によって、搭乗者傷害ではなく人身傷害となっているケースもあります。
上記の表のとおり、4つの保険の種類ごとで補償内容は変わります。すべてお任せしたい方はSAPかPAPが適していますが、保険料をおさせたい場合はBAPが最適です。
ただし、保険の種類ごとで補償の内容は大きく変わるため、詳細を把握してから契約するようにしましょう。保険の種類ごとの概要を以下にまとめました。参考にしてください。
SAPは、『自家用自動車総合保険(Special Automobile Policy)』の略です。最もメジャーなセット保険となっています。
上記の表のとおり、6つの補償(対人賠償保険・対物賠償保険・自損事故保険・搭乗者傷害保険・無保険車傷害保険・車両保険)がセットになっているため、保険料は高くなりますが、広い範囲で補償を受けることが可能です。
抑えておきたいポイントは、以下の3つとなります。
人身傷害補償保険は、元々付帯されていません。ただし、補償内容が重複している搭乗者傷害で補うことができるため、特に心配する必要はないといえます。
もしも補償を厚くしたい場合は、任意で人身傷害補償保険へ加入することも可能です。
自家用普通乗用車、軽四輪乗用車、小型乗用車、小型貨物車、軽四輪貨物車のみ対象となっています。そのため、商用車、キャンピングカー、バイク、レンタカーなどでは加入することができません。
対人賠償・対物賠償の事故に遭った場合、代わりに保険会社が示談交渉を行います。
PAPは、『自家用自動車保険(Package Automobile Policy)』の略です。5つの補償(対人賠償保険・対物賠償保険・自損事故保険・搭乗者傷害保険・無保険車傷害保険)がセットになっています。抑えておきたいポイントは、以下の4つです。
PAPの場合、人身傷害保険と車両保険はついていません。ただし、任意でつけることはできるため、ニーズに合わせて契約してください。
SAPの対象車は自家用5車種でしたが、PAPの場合は自家用・商用問わず加入することができます。
示談交渉は、対人賠償の事故に遭った場合のみとなっています。ただし、保険会社によっては、対物賠償事故の示談交渉も行っていることがあるようです。
もしくは、対物賠償事故の示談交渉は行っていないものの、それなりのサポートは実施しているといったケースもあります。詳細は、直接保険会社へ確認しておきましょう。
SAPの無保険者傷害保険は、歩行中や他の車に搭乗中の損害も補償されます。しかし、PAPの場合、被保険自動車に搭乗していた場合に限定されるため注意しましょう。
BAPは、『一般自動車保険(Basic Automobile Policy)』の略です。SAPやPAPは複数の補償がセットになっていますが、BAPは対人補償、対物補償、車両保険のうち、いずれか1つに加入します。その他の補償に関しては、任意で付帯することが可能です。
そのため、SAP・PAPと比較すると、保険料を抑えることができます。どちらかというと、自らの損害や損失は最低限に抑えて、他人に対する損害の補償をしっかりとしておきたい方に向いている保険です。
BAPには、示談交渉がついていないケースがほとんどです。そのため、事故に遭った場合は、過失割合なども含めてすべて自分で交渉しなければなりません。また、無保険車傷害保険に関しても、元々ついていません。
BAPの場合は、どのような車種・用途でも加入することができます。
対人賠償保険に加入すると、自損事故補償が自動付帯されます。また、搭乗者損害保険に関しては、対人賠償保険、対物賠償保険、車両保険のいずれかに加入すると自動付帯される仕組みです。そのため、単独で契約することはできません。
ドライバー保険は、車を所有していない方向けの自動車保険です。友人から車を借りたときや、レンタカーを借りたときなどに加入することができます。契約期間は、原則1年です。
対人賠償、対物賠償が基本的な補償内容となります。その他の補償は任意で加入することになりますが、車両保険に加入することができないケースがほとんどです。補償内容は、契約前に必ず確認しておくことをお勧めします。
自家用8車種のほか、二輪自動車、原動機付自転車、レンタカーも対象となっています。
搭乗者傷害、自損事故、無保険者傷害、人身傷害補償、車両保険は、任意加入となっているケースがほとんどです。また、車両保険と搭乗者傷害は、元々用意されていないことがあります。
記名被保険者(主に運転する方)、記名被保険者の配偶者(内縁を含む)、もしくは記名被保険者の同居親族が所有する自動車は補償対象外となります。
また、記名被保険者が役員となっている法人の所有する自動車に関しても、補償対象外です。
セット保険に加入する場合、どのような基準で選択すれば良いのでしょうか。抑えておきたい要点をピックアップしましたので、参考にしてください。
SAPは、自動車保険に詳しくない方、選び方が分からない方、保険料は気にせずしっかりと補償を受けたい方にお勧めです。
また、元々車両保険が付いているため、新車・高級車を購入したばかりの方にも適しています。
1つ注意したいのは、加入を検討している保険会社でPAPを扱っており、任意で車両保険を付帯することができるケースです。車両保険は、車の市場評価額や免責の有無によって保険料が変動します。
そのため、SAP、PAP両方の見積もりを比較し、補償内容が同等であれば保険料が安い方を選択するのも一考です。
中古車や古い車など、車両保険をつける必要性が無い場合は、PAPもしくはBAPを選択することになります。
どちらが良いか迷った際は、PAPを選択しましょう。BAPは示談交渉がついていないため、対物賠償のみ示談交渉が付いているPAPの方が安心できるからです。
ただし、自らが自動車保険の各補償内容に詳しく、契約内容をカスタマイズしたかったり、示談交渉はなくても問題ないのであれば、BAPを選択しても構いません。
実際のところ、BAPを選択する方はあまり多くないといわれています。特に近年はリスク細分型の自動車保険が人気を集めており、BAPよりも自由に補償内容をカスタマイズすることができるからです。
リスク細分型の自動車保険がBAPと大きく違うのは、示談交渉を依頼することが出来る点や、様々な特約を任意で選択することができる点などにあります。
また、ロードサービス等の各種サービス充実しているため、わざわざBAPを選択するメリットはありません。
また、自動車保険の保険内容に詳しくない方がBAPに加入すると、適切な補償を受けることができないリスクがあります。
そのため、保険料を安くする目的だけでBAPを選択することはやめましょう。
ドライバー保険は、自分で車を所有していない方が利用する保険です。また、配偶者や同居親族が所有する車を運転する際に、ドライバー保険を利用することはできません。
そのため、友人や知人の車を1カ月に1週間以上借りる方や、頻繁にレンタカーを借りる方に向いています。注意したいのは、原則1年契約となっている点です。
途中で解約することもできますが、年払いで保険料を支払った場合は、短期率と呼ばれる利率を用いて解約返戻金が決まるため、全額返金されるわけではありません。
また、状況によっては、他車運転特約と呼ばれる特約を利用し、補償を受けることができるケースがあるため、ドライバー保険に加入する前に詳細を確認しておきましょう。
たとえば、別居している子供(未婚)が友人の車を借りて運転し、事故を起こした場合であれば、親が加入している自動車保険(運転者限定特約なし)の他車運転特約を使うことが可能です。
他車運転特約とは、契約車両以外の車を運転している際に事故を起こした場合、契約車両とみなして補償を受けることができる特約となっています。
いくつかの条件があるため、他車運転特約の対象となる可能性がある方は、ドライバー保険加入前に比較検討しておきましょう。
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