竜巻が原因で車に損害が生じた場合、一部の車両保険のタイプを除き補償されます。たとえば、突風で車が飛ばされてしまったり、横転してしまった場合などが該当します。
また車両保険では、落下物や飛来物による損傷もカバーしているため、看板や木の枝などのモノが飛んできて車に傷が付いたり凹んでしまった場合も補償対象です。
近年は温暖化の影響で異常気象が目立つようになり、竜巻による被害が増加傾向にあるといわれています。
竜巻は事前に予測することが困難な自然災害であるため、万が一に備えて対策を講じておくようにしましょう。
なお、日本の中で竜巻が発生しやすい地域は、北海道、秋田県、高知県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の6箇所です。
該当する地域に住んでいる場合は、竜巻の被害に備えて車両保険に加入しておいた方が安心です。
まずは以下の表をご覧ください。車両保険タイプ別の、補償可否についてまとめた表です。
車両保険は、下記のとおり2タイプに区分されているケースがほとんどです。
事故内容 | 一般型 | エコノミー型 | |
---|---|---|---|
車対車 + A | 車対車 | ||
竜巻で車が飛ばされて壊れた | ○ |
○ |
× |
補償範囲が広い「一般型」、補償範囲が限定される「エコノミー型」は、地震、津波、噴火を除く自然災害をカバーしているため、車両保険金の上限額を確認した上で、適切な方に加入することをお勧めします。
一つ注意したいのは、「エコノミー型」の補償内容が細分化されている場合です。保険会社によっては、車対車の事故のみを補償する「エコノミー型」が存在し、竜巻などの自然災害による損害をカバーしていません。
補償範囲が限定されている分、保険料は安くなりますが、保険料の節約だけを考えて車対車の事故のみを補償する「エコノミー型」に加入することは避けた方が無難です。
特に竜巻が発生しやすい地域に住んでいる方は、一般型かエコノミー型の車対車+Aに加入するようにしましょう。
車両保険で補償される、竜巻被害の一例を以下にまとめました。参考にしてください。
自己判断が難しい損傷の場合は、保険会社に相談しながら車両保険の利用を検討しましょう。
竜巻による損害は大小さまざまであるため、どのくらいの修理代が掛るかはケースバイケースです。
たとえば、エネオスのサービスステーション、イエローハット「ワンプライスクイック鈑金」のWEBサイトで案内されていた修理費用は、以下の通りとなります。
ヘコミ修理:2タッチ24,600円
※てのひらサイズ(20cm以下)が1タッチ
項目 | ケース1 | ケース2 | ケース3 | ケース4 |
---|---|---|---|---|
車体の色 | ホワイト系 |
シルバー系 |
ホワイト系 |
ホワイト系 |
キズの箇所 | バンパー |
フェンダー |
フェンダー |
スライドドア |
キズの大きさ | 2ハンド |
1ハンド |
1ハンド |
1ハンド |
キズの内容 | えぐれキズ |
へこみキズ |
へこみキズ |
へこみキズ |
施工時間 | 約3時間 |
約3時間 |
約3時間 |
約3時間 |
修理代金 | 25,596円(税込) |
35,856円(税込) |
35,856円(税込) |
35,856円(税込) |
イエローハット公式WEBサイトより引用
エネオス、イエローハットいずれの場合も、損傷の範囲が最大40cm以下となっていることもあり、修理費用は2万円台~3万円台とそれほど高くはありません。
そのため、損傷状態がそれほど酷くない場合、車両保険を使わずに自腹で修理をした方が良いといえます。
結論からいいますと、他人の車が飛んできて車が損傷した場合、相手に対して修理代を請求することはできません。なぜなら、竜巻による被害は自然災害が起因であるため、過失責任が生じないからです。
そのため、自分の車両保険を使って修理をするか、保険を使わずに自腹で修理するしかありません。
ただし、竜巻の被害状況が深刻な場合は、国や自治体から助成金または見舞金等が出るケースがあります。
修理費用の全額が賄えるとは限りませんが、該当する場合は自治体に確認してください。
竜巻による損害で車両保険を使った場合、翌年の更新時に1等級ダウンし、事故あり係数適用期間が1年適用されます。
つまり、保険料が前年よりも割高となるのです。とはいえ、実際にどのくらい保険料が上がるのか、イメージしづらいといえます。
そこで、ソニー損保が提供しているシミュレーションツールを使用し、1等級ダウンすることで保険料がどれだけ変わるのか見ていくことにしましょう。まずは、以下の表をご覧ください。
保険を使った場合 | 保険を使わなかった場合 | |||
---|---|---|---|---|
年 | 等級 |
保険料(イメージ) |
等級 |
保険料(イメージ) |
次年度 | 事故あり14等級 |
113,000円 |
無事故16等級 |
78,000円 |
2年後 | 無事故15等級 |
80,000円 |
無事故17等級 |
77,000円 |
3年後 | 無事故16等級 |
78,000円 |
無事故18等級 |
75,000円 |
4年後 | 無事故17等級 |
77,000円 |
無事故19等級 |
73,000円 |
5年後 | 無事故18等級 |
75,000円 |
無事故20等級 |
60,000円 |
6年後 | 無事故19等級 |
73,000円 |
無事故20等級 |
60,000円 |
合計額(概算) | 496,000円 |
423,000円 |
等級:15等級、現在の保険料:8万円、事故内容:1等級ダウン事故
6年後までの保険料を算出したところ、73,000円異なる結果となりました。1年単位で保険料を比較すると、金額差は2,000円ほどと大きな差ではありませんが、長い目で見ると大きな負担となることが分かります。
車両保険を使う前の等級が15等級よりも低かった場合、保険料の差はここまで大きくはなりませんが、修理費用が少額となる場合は、車両保険を使わずに自腹で修理をすることも検討しましょう。
また、車両保険を使って修理をする方は、翌年の保険料がどのくらい値上がりするのか、事前に保険会社に問い合わせて確認することをお勧めします。
支払われる車両保険金の額は、車両保険金の上限額、免責額(自己負担額)、修理費用によって異なります。事例を用いながら、詳しく見ていくことにしましょう。
修理費用が車両保険金の上限額を越えた場合、全損扱いとなります。そのため、免責額の5万円は引かれず、車両保険金上限額の100万円が支払われます。
なお、竜巻で車が飛ばされて見つからなかった場合も全損となるため、支払われる保険金は100万円です。
車両全損時臨時費用補償特約とは、車が全損した際に、車両保険金とは別に臨時保険金を受け取ることができる特約のことです。
適用条件はありますが、竜巻による損害で全損した場合は、適用されることが多いようです。
車両保険加入時に自動付帯されるケースと、自ら選択して付帯するケースに分かれるため、契約時に確認しておきましょう。
必須となる特約ではありませんが、自ら選択して付帯する必要がある場合は、車両保険金の上限額を確認の上、検討することをお勧めします。
なお、車両全損時臨時費用として支払われる金額は、保険会社ごとで異なります。たとえば、ソニー損保とアクサダイレクトの場合は以下の通りです。
ソニー損保:車両保険金の10%(上限20万円まで)
アクサダイレクト:車両保険金の5%相当(上限10万円まで)
修理費用50万円から免責額の5万円を差し引いた、残りの45万円が支払われます。免責を設定していない場合は、50万円です。
以上が支払われる車両保険金額の事例ですが、最後に1つ抑えておきたいことがあります。そもそも車両保険金は、保険契約締結時の車の時価額によって決まるものです。
車の時価額は年々下がっていきますので、保険契約の更新を迎えるたびに車両保険金の限度額も下がります。
車の年式や型式が古い車に乗っている方は、車両保険金の上限額が低く過ぎないか、契約更新時に確認するようにしましょう。
また、竜巻による損害で車を修理する際は、車両保険を使用するメリット・デメリットを保険会社に確認した上で、保険を使うか判断することをお勧めします。
私は年間で57,230円の保険料を支払っていましたが、保険スクエアbang!という一括見積もりサイトを利用して、保険料を20,630円まで安くすることに成功しました。
保険スクエアbang!は、見積もり結果がブラウザ上に表示されるので、すぐに保険料を知りたい方にはかなり便利なサービスだと思います。
ちなみに、難しいことは一切していません。5分くらいで出来てしまいました。見積もりサービスと聞くと、資料が大量に送られてくるんじゃないの?電話などの勧誘やセールスがくるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんでした。