AIU保険は、外資系の中で大手となる保険会社です。代理店型自動車保険であるため保険料は高めですが、顧客対応や事故対応に定評があります。
今回は、AIU保険の事故対応について取り上げながら、AIUの事故対応の特徴、ロードサービスの特徴など詳しくみていくことにしましょう。
AIU保険は、日本で初めて外資系の損保事業を始めた保険会社です。海外旅行保険や火災保険に強いことで知られていますが、2014年あたりから自動車保険も注目を集めています。
「ファミリー向け保険typeR」「一般型個人向け自動車保険 type P(総合自動車保険)」の2つを提供しており、シンプルで分かりやすい補償内容が魅力です。
ロードサービスの内容は他社に劣りますが、ここ数年で「顧客対応の質」「事故対応力」の評価が高まっており、特に40代のドライバーから好評を得ています。
1つ注意したいのは、2018年1月1日に富士火災と合併することが決まっている点です。今後は社名が「AIG損害保険株式会社」となり、取扱う自動車保険の補償内容も大きく変わります。
富士火災は比較的評価が高い保険会社であるため、顧客対応の質や事故対応力が大幅に下がる心配はなさそうですが、しばらくは様子を見た方が良いかもしれません。
なお、本記事では合併前のAIU保険の事故対応について詳しく解説していきます。
AIU保険の事故対応注目ポイントは3つあります。
AIU保険では、専任の担当者が事故の解決から保険金の支払いまで一貫サポートしています。状況に応じて臨機応変に対応してもらえるため、早期解決を期待することが可能です。
チーム制の場合、各専門分野のスペシャリストが事故対応を行いますが、同じ担当者が事故解決まで担当する1事故1担当制の方が、きめ細かな対応が可能です。
また、対応状況の経過の報告なども、専任担当者がすべて行うため安心できます。
ただし、専任担当者が直接対応するのは、平日の9時から17時までです。その他の時間帯は、別の担当者がサポートしています。
AIU保険では、24時間365日事故受付と初期対応を行っています。夜間や休日でもすぐに初期対応が可能なため、翌日の営業時間まで待つ必要はありません。
また、事故の相手方に代車の用意を要求されたり、治療費を請求された場合でも、AIU保険のスタッフが代わりに対応し、すぐに手配してもらえます。
2014年から2015年にAIU保険が行ったアンケート調査によると、「事故対応に満足している・やや満足」と回答した契約者は93.1%でした。
回答数は46,529件、回答率は13.1%と少なめではありますが、一定数の方が事故対応に満足しているといえそうです。
AIU保険の事故対応の特徴は、以下の表のとおりです。
対応時間 | ・24時間365日の事故受付、初期対応 ・平日の9時から17時までは専任担当者が対応 |
---|---|
初期対応の内容 | ・事故の相手方との直接対応 ・病院などへの連絡 ・修理工場への連絡 ・代車手配 など |
AIUドライブイン サービス |
自動車事故などで契約車両が損害を受けた場合、AIUの提携工場で損害車両の修理を行います。(全国46箇所) ・代車無料サービスの提供 ・修理内容に永久保証書を発行 ・車の引き取り、納車無料サービス ・分損時臨時費用保険金(5万円限度で車両保険金の5%) ・修理の工賃10%、部品1%割引で自費での修理費用を軽減 |
事故対応満足度 | ・全体的な満足度:93.1% ・事故受付時の対応:92.0% ・担当者の話し方・態度:92.7% ・保険金支払いの迅速さ:93.0% ※自社調べ(2014年~2015年) |
他の保険会社とは異なり、AIU保険の事故対応はシンプルな設計となっています。ダイレクト型の保険会社のように、サービスの種類が多いわけではありませんが、十分なサポートを受けることが可能です。
また、自動車事故等で契約車両が損害を受けた際は、AIUドライブインサービスを利用すると「代車無料サービス」「車の引き取り・納車無料サービス」など様々なサポートを受けることができます。
AIU保険が提供しているロードサービスの内容を、以下の表にまとめました。
特徴 | ・受付時間は24時間365日 ・ドライブインサービス拠点は全国46箇所 |
---|---|
レッカーサービス | 故障、事故で自力走行不能となった場合に利用可能 最寄りの修理工場まで距離を問わず無料 ただし、搬送先を自ら指定する場合は100km(実走)まで無料 ※JAF会員は115km 即時入庫出来ない場合は、1日間限度に無料保管可能 |
トラブル対応 サービス |
・キー閉じ込み時の解錠 ・バッテリー上がり ・ガス欠による給油(保険期間中1回まで無料) ・タイヤパンク時のスペアタイヤ交換 ・落輪時の引き上げ作業(タイヤ1本は無料) ・その他プラグ交換等の軽作業(30分程度の軽作業) |
AIUのロードサービスは、必要最低限の内容しか含まれていません。そのため、万一に備えてJAFに加入しておいた方が安心できます。
他の保険会社と異なる点は、「搬送先を自ら指定した場合のレッカー移動距離100kmまで無料」「契約1年目よりガス欠の燃料代が10!程度まで無料」の2つです。
その他のサービスについては、他の保険会社の方が充実しています。
aiu保険が提供している、自動車保険の事故対応は以下のとおりです。
上記の中から2つピックアップし、詳しくみていくことにします。
AIUドライブインサービスとは、AIU提携の指定工場で扱っているサービス・対応のことです。契約車両が、事故などで損害を受けたときに利用できます。
主なサービスは5つです。詳細を以下にまとめましたので、参考にしてください。
車を修理している期間中は、代車が無料提供されます。ただし、燃料代は実費です。
修理後、修理箇所に故障や不具合が生じた場合、無料で修理をしてもらうことができます。
※永久保証書記載の車両所有者に対してのみ有効
修理後、担当者が指定場所まで車を届けてくれます。
※納車先が遠隔地の場合は、利用不可となるケースあり
AIU保険では、車両保険契約時に「特定修理工場入庫特約」が自動セットされます。事故で契約車両に損害が生じ、AIU指定の修理工場で修理をした場合、車輛保険金の5%(5万円上限)に保険金が支払われます。
自費で修理することになった場合、工賃が10%、部品代が1%割引されます。特定の修理工場では10%割引のみとなるケースがあるため注意が必要です
携帯電話のGPS機能を利用して、AIUに車の位置情報を知らせることができます。その他の機能については、公式WEBサイト上で案内されていませんでした。
なお、携帯電話のキャリア・機種などによって利用できないことがあるようです。富士火災と合併する前に利用する場合は、事前にAIUへ確認しておくことをおすすめします。
AIU保険が提供するロードサービスの内容は以下のとおりです。
上記の中から2つピックアップし、詳しくみていくことにします。
JAF会員の方は、AIUの自動車保険に加入すると優待サービスが適用されます。
AIU保険のロードサービスに加えて、更に手厚いサポートが可能となるため有効活用してください。詳細は以下の表のとおりです。
主なサービス内容 | 保険付帯サービスのみ | JAF+保険付帯サービス |
---|---|---|
けん引・搬送※1 | 100kmまで無料 |
115kmまで無料 |
バッテリー上がり | ○対象 |
○対象 |
燃料切れ(ガソリン・軽油) | △回数制限あり※2 |
○回数制限なし |
燃料切れ時の燃料代無料サービス※3 | 契約期間中1回 |
契約期間中1回 |
キーの閉じ込み | △一部対象※4 |
○対象 |
パンク時のスペアタイヤ交換 | ○対象 |
○対象 |
パンク応急修理 | ×対象外 |
○対象 |
タイヤチェーンの着脱 | ×対象外 |
○対象 |
雪道・ぬかるみ等(スタック)からの引き上げ | △一部対象※5 |
○対象 |
自然災害に起因した事故・故障 | ○対象 |
△一部対象 (地震・噴火・津波は対象外) |
参照:JAF公式WEBサイト(平成28年10月現在)
※1 :AIU指定の最寄り修理工場まで距離制限なし
※2: 2回目以降、出動料を含め全額有料対応
※3 :1回に10L程度まで対応
※4 :トランクの解錠は有料対応
※5: 雪道チェーンまたはスタッドレスタイヤ装着時のスタック限定
たとえば、レッカーのけん引距離が100kmから115kmになったり、タイヤパンク応急修理作業が無料対応になるなど、全部で7項目のサービス内容が追加されます。
事故現場から移動する際に掛る交通費の補償などは、ロードサービスの中に含まれていません。
しかし、「事故時付随費用補償特約」を付帯しておくと、既定の上限額まで補償が可能です。補償対象となる費用は、以下の3つとなります。
事故で契約車両が自走出来なくなった場合、最寄りホテル・旅館等の宿泊費が補償されます。
保険金:1回の事故につき被保険者1名あたり1泊1万円まで
事故で契約車両が自走出来なくなった場合、事故現場から自宅に戻るため、もしくは目的地へ移動するための交通費が補償されます。
保険金:1回の事故につき被保険者1名あたり2万円まで(経路などに条件あり)
事故で契約車両が自走出来なくなった場合、または被保険者が死亡・入院した場合、予定していた旅行、宿泊、施設利用、公演などのキャンセル費用が補償されます。
(死亡・入院した日を含める31日以内にサービスを受けることが予定されていた場合のみ適用)
保険金:1回の事故につき50万円まで
※キャンセル費用の実費から、1,000円もしくはキャンセル費用20%相当額のいずれか高い金額を差し引いた残りの額が支払われる
「J.Dパワーアジア・パシフィック・ジャパン」「オリコン日本CS顧客満足度調査」「価格.com」の2017年事故対応ランキングを以下にまとめました。
AIU保険の事故対応について、詳しく分析していくことにしましょう。
J.Dパワーアジア・パシフィック・ジャパン 2017年 |
---|
・顧客満足度「代理店部門」:1位(総合2位) ・新規加入者「代理店部門」:2位 |
J.Dパワーの2017年ランキング結果を確認したところ、顧客満足度と新規加入者の代理店系部門で1位・2位を獲得しています。
また、「契約内容/契約手続き」「価格」「保険証券」でもトップになったことから、自動車保険として高く評価されていることが分かります。
ただし、事故対応の総合では10位にランクインしていません。そのため、保険商品として魅力はあるものの、事故対応は少々不安が残るといえそうです。
なお、富士火災は「顧客対応」で最も高い評価を得ているため、合併後は状況が大きく変わる可能性があります。
オリコン日本CS顧客満足度調査 2017年 |
---|
・総合:6位 ・加入、更新手続き:7位 ・商品内容の充実度:6位 ・事故対応:1位 ・調査・認定結果:5位 ・受領・支払いスピード:4位 ・サポートサービス:2位 |
前述したJ.Dパワーとは異なり、事故対応で1位を獲得しています。
また、サポートサービスで2位、受取額・支払いスピードで4位となっていることから、J.Dパワーの結果を鵜呑みにする必要はないといえそうです。
加入更新手続きなど一部で順位が低い部門はあるものの、顧客対応と事故対応は満足度が高めだと判断して良いといえます。
価格.com満足度ランキング 2017年 |
---|
総合:8位 保険料:10位 補償内容:9位 顧客対応:2位 事故対応:1位 |
価格.comのランキングですが、総合的な評価は8位とまずまずの結果でした。ただし、顧客対応で2位、事故対応では1位を獲得しています。
2014年頃までは全てのランキングで10位圏外だったため、ここ数年でサービスの質が大きく改善されたことが分かります。
2018年1月1日に富士火災と合併し、事故対応力がどのように変化するか、しばらく様子を伺いたいところです。
私は年間で57,230円の保険料を支払っていましたが、保険スクエアbang!という一括見積もりサイトを利用して、保険料を20,630円まで安くすることに成功しました。
保険スクエアbang!は、見積もり結果がブラウザ上に表示されるので、すぐに保険料を知りたい方にはかなり便利なサービスだと思います。
ちなみに、難しいことは一切していません。5分くらいで出来てしまいました。見積もりサービスと聞くと、資料が大量に送られてくるんじゃないの?電話などの勧誘やセールスがくるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことは一切ありませんでした。